スノーフレークの白斑が緑に戻るのは「光」のせい?「肥料」のせい?
アヌビアス スノーフレークを育てていると、せっかくの白斑(はくはん:葉に入る白い斑模様)が、いつの間にか緑に戻ってしまった——そんな経験はありませんか。ネットを調べると「光が強いと緑化する」「栄養が多いと緑化する」と書かれていますが、どちらも”言われている”だけで、数値で比べた記録はなかなか見つかりません。
そこでこのブログでは、底床(ていしょう)と光量を変えた2×2の比較実験を自宅で立ち上げました。この記事は結果が出る前の「実験のはじまり」編です。何をどう比べるのか、どんな工夫をしたのかを公開します。結果は隔週で更新していきます。
検証したい問い(仮説)
白斑の維持・緑化に効くと言われる要因のうち、底床の栄養と光量の2つを取り上げます。
- 仮説H1(底床):低栄養の赤玉土(あかだまつち)の方が、栄養系ソイルのアマゾニアVer2より白斑を維持しやすいのではないか
- 仮説H2(光量):光が強いほど葉緑素が増え、白斑が緑化しやすいのではないか
どちらも一般によく言われる説ですが、私の環境で実際に差が出るのかを確かめます。
実験条件|変数は「底床」と「光量」だけ
比較実験で大事なのは、調べたい要因以外をできるだけ揃えることです。今回いじるのは底床と光量の2つだけ。それ以外(水・温度・点灯時間・湿度)は共通にしました。
| 群 | 底床 | 光量 | 株数 |
| A左 | 赤玉土(低栄養) | 高(減光なし) | 2 |
| A右 | アマゾニアVer2(栄養系) | 高(減光なし) | 2 |
| B左 | 赤玉土(低栄養) | 低(プラダンで減光) | 2 |
| B右 | アマゾニアVer2(栄養系) | 低(プラダンで減光) | 2 |

上の図が今回の割り付けです。横軸が底床、縦軸が光量で、4つの群に8株を振り分けています。
- 底床はケース内を左右に仕切り、同じケース内で赤玉土とアマゾニアを並べました。これなら同じケースの湿度・温度・光がそろうので、底床だけのペア比較ができます。
- 光量はケース単位で変えます。光はケース内に閉じ込められないためです。
- 共通条件:浄水器水・点灯17〜24時(7時間)・室温26℃・フタ+ラップで結露維持。湿潤ケースの基本的な作り方は湿潤ケース紹介|私のブセファランドラ育成環境をすべて公開にまとめています。

光量は実測で「約1.8倍差」に設定
「高光量・低光量」と言葉で書くだけでは説得力がないので、照度計(FieldNew FN028A)で実測しました。照明はクリアLEDフラッティ600WH 1灯です。
| 箱 | 実測照度 |
| A箱(開放・高光量) | 約1,398 lux |
| B箱(プラダン・低光量) | 約782 lux |
→ 高:低=約1.79:1(おおよそ2倍差)。半透明プラダン1枚で約半分まで落ちました。これ以上暗くするとB箱で新葉が出にくくなり、肝心の観察ができなくなるため、この差で採用しています。
なお、照度は測る位置(中央か端か・葉の高さ)で多少ぶれます。ここでは各箱の代表的な位置で測った値を載せています。またluxは人の目の感度に合わせた明るさで、植物が使う光量(PAR)とは厳密には別物です。あくまで同じ光源での相対比較として見てください。

自作した2つの工夫
工夫①:左右を分ける防水仕切り
100均の透明収納ケース(ポリスチレン製)を、ソリッドPPシートとシリコン(バスボンドQ・防カビ剤なし)で左右に仕切りました。シリコンはPP(ポリプロピレン)に付きにくいので、接着面を紙やすりで荒らし、押し込みで固定しています。注水テストで左右が混ざらないことを確認済みです。

工夫②:腰水の水位が読める「検水管」
底床は軽石を下層に敷いた腰水(こしみず)管理ですが、軽石に気泡がたまると水位が読めません。そこでストローにスリットを入れて前面に固定し、油性ペンで水位線を引きました。これで外から腰水の量が一目で分かり、左右・両箱を同じ水位に揃えられます。

8株はどう選んだか|初期の白斑をそろえる
実験のスタート地点で群ごとに白斑の量が偏っていると、「底床の差」なのか「もともとの差」なのか分からなくなります。そこで我が家のスロットT3-1のスノーフレークから8株を切り出し、それぞれの白斑を0〜5でスコア付けしました。
そのうえで、スコアの高い株と低い株をペアにして、各群の初期白斑の合計が同じ(合計4)になるように振り分けています。
| 群(底床/光量) | 株(初期白斑スコア) |
| A左 赤玉土/高光 | 株6(4)+株1(0) |
| A右 アマゾニア/高光 | 株5(3)+株4(1) |
| B左 赤玉土/低光 | 株7(3)+株3(1) |
| B右 アマゾニア/低光 | 株8(3)+株2(1) |

Day0|観察スタート時の姿
2026年6月27日、割り付けどおりに植え付けました。これが「変化前」の基準です。今後はこの状態と比べていきます。


これから何を見るのか
白斑は「すでに開いた葉」では後から大きく変わりません。そこで主に見るのは、実験開始後に新しく展開した葉(新葉)の白斑です。
- ✔ 主指標:新葉の白斑スコア(実験後に出た葉で評価)
- 副指標:緑化した株の数・新葉の枚数(成長速度)・株全体の白斑スコア・4区画の実測lux
測定は隔週で、最低8〜12週続けます。アヌビアスは成長が遅いので、新しい葉が増えるまで時間がかかるためです。
この実験の限界(先に正直に)
数字を扱う実験ですが、これは予備実験(パイロット)です。次の点は最初に断っておきます。
- 各群2株とサンプル数が少ないため、統計的な結論ではなく「傾向の把握」です
- 白斑の評価は目視の5段階スコアが中心で、主観が入ります
- スノーフレークは個体差が大きい品種です
- A箱(高光量)はB箱より2〜3℃高め(光が強いと温度も上がる)で、光と温度が完全には分離できていません
これらを正直に書くことが、かえって個人の記録としての信頼につながると考えています。
まとめ
✔ 底床(赤玉土 vs アマゾニア)と光量(約1.8倍差)の2×2で、スノーフレークの白斑を比較する ✔ 初期白斑をそろえて植え付け、新葉の白斑を主指標に隔週で記録する ✔ N=2の予備実験。結果は「傾向」として、限界とセットで公開していく
結果が出てくるのはこれからです。次回(約2週間後)から、新葉と白斑の変化を数値と写真で更新していきます。
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